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LEADERS BLOG

2025.12.5 / 清水吉樹

僕たちの日常は、仕事や家族の用事など、「今、目の前にあること」で目まぐるしく過ぎていきます。そんな多忙な日々の中で、「非日常」の極みである「想定外の災害」への意識を、高いレベルで持ち続けるのは至難の業です。頭では「備えが必要だ」と分かっていても、行動が伴わない。このギャップに、多くの人がジレンマを抱えているのではと思います。

僕たちの意識が薄れるのはなぜだろう?

意識を継続できない背景には、人間の二つの心理があるみたいです。

一つは、根本的な「正常性バイアス」。「きっと大丈夫」「いつもの日常が続く」と無意識に思い込む心理です。そしてもう一つは、「忙しさ」です。僕たちは、「緊急度の低い未来の備え」よりも「緊急度の高い現在のタスク」を優先せざるを得ません。非常食のチェックより、目の前のメールの返信だろ! 僕を含め多くの人がそうなのではないでしょうか。「わかってはいるんだけどね・・・」これが僕たちが抱える防災意識の継続という大きなジレンマなのではないでしょうか。

このジレンマをどう乗り越えるか?

大切なのは、完璧な備えを目指すのではなく、意識を無理なく「持続」させるための小さな工夫を取り入れることなのかなと考えています。つまり、防災を特別な時間ではなく、「日常のついで」に組み込んでしまえば良いのではないかという考えです。

具体的には、

1. 「ついで」防災を習慣にする!
・買い物ついでに: 賞味期限の長い食品や水を一つ余分に買う(ローリングストック)。   
・スマホ充電ついでに: 枕元に懐中電灯があるか、一瞬だけ確認する。

2. 「もしも」を数秒間だけ妄想する!
ふと手が空いた時に「今、大きな揺れが来たらどうする?」と、頭の中で数秒間だけ行動をイメージしてみる。この一瞬の妄想が、正常性バイアスを打ち破り、具体的な行動を意識に刷り込むきっかけになります。

備えに「完璧」はありません。目指すべきは、「意識が薄れた」と気づいた時に、すぐに「小さな行動」で意識を「再起動」できる柔軟さです。無理なく、小さく、しなやかに。

さあ、あっというまに12月です。忙しい日常の中でも、「想定外」に備える意識を維持していきましょう!