X note

LEADERS BLOG

2022.4.28 / 久保繁

久しぶりに質問されたので現在のなぜ円安なのかについて話してみようかと思います。
(知っている人は読まなくていいです)
一つは「利上げ」
アメリカが金利0%を7回にわたって0.25%ずつ利上げしていきますとニュースでも流れていました。
これはどういうことかというと、例えば皆さんだったら
金利0.02%の銀行と0.1%の銀行ではどちらに預けますか?
金利の高い後者ですよね
これを円とドルで置き換えるとドルの方の金利が高いから金利の低い円を売ってドルを買おうとなりますよね。
日本がアメリカ同様に利上げするという気があるかというと、今のところ「ない」です。
もう一つは「戦争による有事」
ウクライナ情勢ですよね。戦争など有事な出来事があると安全な通貨を持っておこうとなります。それがドルだったりします。(円も安全通貨の場合もあるのですが)
まとめますと
①日米の金利格差
②有事のドル買い
が今の相場の状況の主な要因となっています。
と言いつつ、FXとか詳しい人は「あれ?」と思うかもしれません。
今トルコとかブラジルはアメリカよりもっと高金利です。
普通なら金利の高いトルコやブラジルの通貨を買おうってなりますよね。
なぜ買われないかというとトルコもブラジルもインフレ率が高いからです。
インフレ率が高いとなぜ買われないのか。
為替レートで大切なのは長期的な目線ですので、名目金利ではなくて実質金利が重要になるのです。
実質金利とは名目金利からインフレ率を引いたもの。(実質金利=名目金利-インフレ率)
ここを見ているのです。
インフレ率が高すぎて実質金利が低いのです。だから買われないのです。
さらに詳しい人はもう一回ここで「おや?」と思っているかもしれません。
現時点ではまだ上記計算式に当てはめるとドルより円の方の実質金利が高いのです。
アメリカはインフレが進んでいるのにも関わらず、セオリー通りだと円を買われるはずなのになぜドルが買われていて円が買われないのか。
それは「今後の未来」をどう見るかも要素に入るからです。
①アメリカの名目金利は上がっていく方針
②アメリカのインフレ率は下がっていくと思われている
③日本は今からインフレ率が上がっていくと思われている(実際そうなっていますが)
予測ではドルが円より実質金利が高くなる。
そのような未来を予測して今の円安ドル高の状況となっているのですね。

このあたりわかった上で今後どうなっていくかと興味を持ってニュースなど見てみると面白いと思います。