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2021.7.9 / 清水吉樹

あん‐ばい【塩梅・按配・案配】
① 塩と梅酢で調味すること。一般に、料理の味加減を調えること。また、その味加減。「―を見る」
② 物事のほどあい。かげん。特に、身体の具合。「いい―に会えた」「―が悪くて寝ている」
③ ほどよく並べたり、ほどよく処理したりすること。「材料をうまく―して話す」「仕事の―を考える」

(以上「広辞苑」抜粋)

いきなり「塩梅(あんばい)」の語彙説明をされても「え??」だと思いますが、今回は「塩梅」をテーマにした内容なので、その前提となる意味をご説明する必要があるなと思いご紹介しました。僕が今回お話をする「塩梅」は上記の「③ほどよくいい感じにする」というニュアンスになります。

さて、僕と仕事をしたり、遊んでくれたことがある人はおわかりかもしれませんが、僕はよく「こんな感じでうまくやっといてよ」とか「ちゃちゃっといい感じでやろう!」と丸投げすることがあります。これは、適当で良い、とか、どうでも良い、という真意ではなく「この人なら細かい指示を伝えるよりザックリ方向性を共有しさえすればよりよい結果になる」という僕なりの考えがあっての発言です。だからもちろん、相手や状況によって「塩梅」はかえます。
例えば、すごくちらかっている部屋があるとして、
❶ある人には『なんか散らかっているからいい感じにしといてよ』。
❷ある人には『なんか散らかっているから整理整頓しておいてよ』。
❸ある人には『これとこれはそこに置いて、床は掃除機をかけて、ついでに「整理整頓!」って張り紙はっておいてよ』。
という感じで。
もちろん❶~❸のどれが良くてどれが望ましい、と良し悪しを言っている訳ではなく、伝える相手との相互理解の度合いや、過去の経験などから「この人にこの案件はこの塩梅で伝えればいいな」と考え発言しています。

って、なんか上から目線で偉そうな感じ・・・。とお思いの貴方・貴女!
違うんです、そうじゃないんです!
僕がここでお伝えしたい趣旨は、
「その時の状況や環境」や「話し手と受け手の関係性」によってニュアンスがかなり違ってくる「塩梅されたコトバ」が、安易にコピーされ再生されることで、仕事の質や遊びの楽しさに悪影響を及ぼすことがあるから注意しないとね!!
ということです。そう注意喚起です。
先ほどの「整理整頓」の例え話でいうと、初対面の人に❶を言っても相手は混乱するし、付き合いが長い人に❸を言ったら「話がくどいな~・・・」となりますよね?
この点を踏まえずに、この「コトバ」だけを第三者や不特定多数の人に「そのまま」伝えるとどうなるか・・・。そう、お察しの通り様々な解釈が発生してかなり困ったことになります。でも、このような事例って、社会や会社や家庭でもけっこう転がってると思うんですよね。みなさんの周りを見回してみてどうですか?
<なんかあの人のハナシって抽象的すぎるんだよね。>
とか
<すげー細かくてめんどくさいんだけど。わかってるし!>
とか
<あれはこういう意味だろう(と思ってやったことが間違っている)。>
など、ありませんか?

コトバが簡単に切り取られ、そして拡散する世の中です。だから、発言する方も受け取る方も、そのコトバや情報は「塩梅」でかなり意味やニュアンスが変わる、ということを意識しつつ、いい感じで暮らしていきましょう。

以上、味音痴な上に話がくどい僕の雑感におつきあいいただき、ありがとうございました。