プロジェクトストーリー

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ぬいぐるみ型ドライアイス入れ — ゆめだっこ開発ストーリー

「ずっと、ぎゅっと、ゆめだっこ。」

SANWA&CO.(三和物産株式会社、以下SANWA)の優しさと温かさを“ぎゅっと”詰め込んだ、そんな商品です。

みなさん、こんにちは。SANWAのインターン生です!

突然ですが、「ゆめだっこ」という商品をご存じでしょうか?
上のイラストのように、白くて可愛らしい見た目をした動物型のぬいぐるみです。

私は初めてSANWAを訪れたとき、机の上にいたこの子と目が合い、思わず「かわいい♡」と呟いてしまいました。そして社員の皆さんから「ゆめだっこ」についてお話を伺ううちに、ただ可愛いだけではなく、現代のお葬式が抱える悩みや課題を解決する優しさあふれる商品であることを知り、衝撃を受けました。


「ゆめだっこ」に込められた想いを、もっと知りたい。もっと広めたい。

今回は、「ゆめだっこ」開発チームの加藤寛隆(かとう・ひろたか)さんに、その開発秘話を語っていただきました。


Q1.「ゆめだっこ」はどんな商品ですか?

ドライアイスを包み込み、お子様のご遺体のお腹の上に抱きしめるように乗せてあげる――
そんな使い方をする、優しい冷却用ぬいぐるみです。

火葬までの間、大切なご遺体を生前そのままの姿で安置するために、ドライアイスで冷やします。一度のお葬式で使用するドライアイスは約10kg。2.5kgのブロック状のドライアイスを細かく砕き、「ゆめだっこ」のお腹部分に詰めて使用します。


Q2.どのようなきっかけで誕生したのでしょうか?

葬儀社さんとお客様の“何気ない一言”が始まりでした。

「可愛らしいデザインのドライアイス入れって、作れないかな?」
ドライアイスの塊が直接身体に置かれている様子は、特にお子様のご遺体の場合、苦しそうに見えてしまうことがあります。さらに、お子様のお別れは踏ん切りがつかず、安置期間が長引く傾向があります。

この2つの課題から、冷却機能とデザイン性を両立させた商品として「ゆめだっこ」の開発が始まりました。

「元気だった姿と、穏やかな顔を思い出してもらえるように。」
「ご遺体の変化で、ご遺族の心がこれ以上傷つかないように。」

そんな願いを込めて、お腹をしっかり冷やしながら、優しい姿で安置できる「ゆめだっこ」が完成しました。


Q3.どんな動物がモチーフなんですか?

特定の動物ではないんです。

いぬでも、くまでもない。誰が見ても「自分の好きな動物」に見えるよう、あえて特定の動物をモチーフにはしていません。

当初は茶色やベージュのカラーバリエーションも検討されましたが、ドライアイスの結露が目立たないよう、最終的に白一色に決まりました。

みなさんには、どんな動物に見えますか?


【開発秘話をのぞいてみよう】

実は「ゆめだっこ」は、開発から商品化まで10年という長い年月をかけて完成した商品です。ここからは、加藤さんの思いや開発の裏側について深く伺っていきます。


Q4.開発途中、どのような思いがありましたか?

正直、涙することもあるほど辛い時期もありました。でも、やってよかったと心から思えます。

開発メンバーは私を含めて3人。全員が子どもを持つ親です。話し合いの中で涙がこぼれることもありましたが、葬儀社さんが私たちの思いや「ゆめだっこ」のコンセプトに共感してくださったとき、大きなやりがいを感じました。


Q5.どんな試作があったのですか?

巾着型・大きなぬいぐるみ型など、さまざまな試作品がありました。

「見た目が残念」「体を覆いすぎてしまう」など、たくさんの試行錯誤を重ねました。完成版では、見た目と機能性を両立するため、お腹部分に冷気が伝わりやすいメッシュ素材を使用しています。

開発当初は、「ドライアイスはそのまま入れるもの」という固定観念にとらわれていましたが、ある葬儀社さんから「ドライアイスは砕いて使う場合もある」と教えていただき、視点が変わりました。現場からの情報に耳を傾けることの大切さを学びました。

SANWAには「商品を開発する力」と「現場の声を聞ける環境」があり、この両輪が生きたプロジェクトだったと思います。


Q6.今後、どんな商品を開発したいですか?

ご遺族の心の支えとなる商品を、これからもつくっていきたい。

とくに、急な事故や病気でお別れを迎えるご遺族の深い悲しみを少しでも和らげる商品を届けたいと考えています。そして、悲しむ必要のない場面で「余計な悲しみ」が生まれないように、今の“当たり前”を問い直す商品もつくっていきたいと思います。


おわりに

  • 少しでも社会の役に立てるものを開発したい。

  • ご遺族を元気づけ、心の支えとなる商品を届けたい。

  • 今の当たり前を見つめ直し、より良い社会を創っていきたい。

SANWAのものづくりに込められた日々葬儀社様とご遺族に寄り添ってきた“まっすぐな想い”が、
少しでも多くの方に伝われば嬉しいです。


「ゆめだっこ」開発秘話、いかがでしたか?

学生のみなさんの中には、まだ身近な人の“死”に直面したことのない方も多いかもしれません。
私自身も、お葬式について詳しく知る機会はありませんでした。

「当たり前」を見つめ直し、新しい世界を知る。
その一歩として、ぜひSANWAをのぞいてみてください。

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