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2026.5.8 / 浜永 良成

本棚を整理していたら10年ほど前に美術館のショップで買ったデンマークの画家の画集が出てきたので久しぶりに開いてみました。
その絵は室内画が多く、どれも全体が灰色系の静かな何ということのない絵に見えます。
人物は居ても、ただ静かにそこに佇む。
人は後ろや下を向いていてあまり生命感を感じない。
室内画には扉が描かれているがほとんど扉が開いていて隣の部屋が見えている。
それは何かの暗示?
風景画には空はあるが、雲が多く太陽光は弱く描かれており廃墟のようでもある。
全て緻密に表現されているが輪郭はあまりはっきりとはしておらず、むしろぼんやりしている。
時間が静止しているようだ。ひどく落ち着きを感じる。
全て画家が感じた外世界を自分の内世界の感じ方で表現しているのか。
ある明け方、窓の外を何気なく眺めると空は少しだけ明るくなっていたが今にも小雨が降りそうなどんよりした曇り空。
緑の葉っぱも灰色に見える。
だけど、穏やかな気持ちになるとともに、あの画集の絵画と似た感情を与えてくれることに気づきました。
人にはそんな時間もあってもいいと感じました。
我々は暗くない葬儀を目指していますがこの絵画のような静謐の時間を過ごすお別れも一つの選択肢だと思いました。
それはどうしようもない喪失感ともう一回会いたいけれどもう会えない諦めの気持ちでいる時にふさわしい世界を与えてくれるからと思えたからです。

ヴィルヘルム・ハマスホイの「ロンドンのモンタギュー・ストリート、あるいは大英博物館の側面」

ヴィルヘルム・ハマスホイの「室内」

ヴィルヘルム・ハマスホイの「白い扉、あるいは開いた扉」